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世界を相手に

   私は、長い間、スタートアップ企業を含む多くの欧米中小企業と関わりを持ってきた。彼らにいつも感心させられることは、常に世界を相手に仕事をしようとする姿勢である。   多くの日本企業も世界で活躍してはいるが、その大半は多国籍大企業である。海外で活躍する中小企業は少なく、情報発信量も極めて少ない。 そのことについては、このブログでも幾度か述べてきた。 今日の新聞を読んでいたら、「メトロポリス」という情報媒体を運営しているニール・バトラー氏が同じような趣旨のことを指摘していた。   東京新聞2017年11月5日13面  そこには言語の壁もあるが、世界に向けて自らを開く事に消極的、よく言えば無口で奥ゆかしい、或いは沈黙は金といった日本人の心持にもある。  バトラー氏のように我が国の国際化の遅れを指摘する外国人は多い。「国際化」は、長年の課題でありつづけている。ゆでガエルにならないことを祈るばかりである。

日本のものづくり力の行方?

 昨日配達された「週刊朝日 2017 年 9 月 29 日」に「自動車の世界市場で日本勢包囲網 -  ” 一強 ” トヨタも絶体絶命」というかなり刺激的な記事が掲載された。少し乱暴かもしれないが、我が国の大企業は、既存の系列企業との関係や莫大な開発費をかけて従来から培ってきた既存技術へのこだわりなど様々なしがらみから抜け出せずもがいているうちに、ドイツをはじめ海外自動車産業界は EV 化へ向けて着々と手を打っているぞ、という、日本の自動車産業に対して強く警鐘を鳴らす内容である。  その中で、注目を引いたのは、「『我々が直接クルマを作る必要があるのか』。 VW 社内では今、こうした議論が盛んという。 あまり知られていないが、実は VW が自らクルマを作らなくても、立派に生産できる仕組みをドイツの自動車産業は持っている。 量産以外の開発から試作までを請け負うエンジニアリングサービス会社が台頭しているからだ。ドイツの FEV 社や隣国オーストリアの AVL 社などで、その開発能力は VW にも負けない。 実際、ホンダが新型シビックのエンジンを AVL に開発委託したほどだ。」という。 そして、ドイツのバーチャル設計力とシミュレーション技術力に対し、日本はそれらを軽視してきたことが、自動車王国日本が EV 化への対応に大きく遅れた原因ではないかと(筆者理解要約)。 ドイツのみならず、フランスとイギリスがガソリン車の販売禁止策を打ち出し、中国も EV への移行を決めて、米国もテスラモーターズに代表されるような EV 化への流れがほぼ確実である。   なぜこうなるのか、なぜ日本の EV 化への動きがこうも鈍いのか。 ドイツは、 2006 年に「ハイテク戦略 2020 」を定め、そのアクションプランとして 2011 年に「インダストリー 4.0 」政策を発表し、爾来、 IoT や AI 技術、ソフト開発技術などの先端技術を用いてドイツの産業構造そのものを大きく変える努力をしてきた。 日本は、 2011 年 3 月 11 日の大震災と福島第一原発事故という大変不幸な事態に直面したことが、先進技術による産業構造変革へ向けて大きく踏み出す力を削いだことは否めないとは思う。 だが、しかしその時こそ、日本の未来を見据えてこの国をどうするかを考え行動に移す貴重な機会の筈であったが、