イスラエルの人口は僅か780万人程度だがそこには、数多くのベンチャーキャピタル( VC )があり、優れたアイディアと技術を有する若い企業が世界に羽ばたいて行く。 その数ある VC の中でも最大手の一つ JVP Fund 、そのエルサレムに本拠を構える VC としての機能を包み込むように、 JVP Media Quarter がある。 JVP Media Quarter は、 JVP Fund の創業者 Erel Margalit 氏が、技術、創造性、社会活動の融合を実現し興奮に満ち活力に溢れる場を設けようと、 2002 年にその構想を描き、翌年からその実現へ向けて動き出した。 2006 年には英国統治時代に建てられたビルを改修し、エルサレムの旧鉄道駅周辺の活性化も実現する大がかりな作業に着手、 2008 年に現在の姿が完成した。 そこにはバウハウス様式の美しい姿のビルがあり JVP Fund, JVP Media Labs, JVP Community がある。 JVP Fund は文字通りベンチャー企業に対する資金的支援がその業務、 JVP Media Labs は生まれたての企業を育てて行くインキュベーションをその主たる業務とし、そのもとに集まる多くの若い企業が JVP Media Quarter 内に事務所を構える。 そして JVP Community は、何某かのハンディキャップを有する子供に対する教育上の支援、社会生活の為の予備的支援、それらの子供の親たちに対するアドバイス等広く考えられたプログラムの提供、若い音楽家、芸術家の表現の場所などが提供されている。 驚くべきことは、 JVP Media Community の実質的な活動が徴兵前の若者によるボランティア活動により支えられているという事だ。 この様に、若い企業が生まれる環境を作り、育て試験的支援を行う一方、ハンディキャップを有する、潜在的な社会的弱者を子供の時から支援して行くシステム、 JVP Media Quarter の資料を読んでいて、今こそ日本にもこの様な仕組みが必要ではないかと、つくづく思う。 おりしも、 7 月 15 日朝日新聞朝刊「ザ・コラム」に渥美好司氏(朝日新聞福島総局長)が専修大学広瀬教授の言葉として「希望のある社会とはどの様なものかを想像