「スマードグリッド」、一昨年辺りから日本のメディアに登場し始めたように思うが、ITを活用し、電力の需要者(家庭やハイブリッド・電気自動車等)も供給者として組み込まれる電力網という程度の認識しかなく、そのイメージは漠然としていた。 数日前に友人から借りて読んだ本、「スマートグリッド革命」(加藤敏春氏著 NTT出版発行)が、もやもやを吹き飛ばしてくれた。
加藤氏が、著書の最後の部分で、「私はワグナーのファンですが、いま、華麗にして壮大なるオペラ劇の幕が開いたという感があります。 (中略) いま我々が聞いているのは、『スマートグリッド革命』のタンホイザー序曲』と言えるでしょう。」と記述しておらる通り、恐らく、著者ご自身もこの書物を書き進めながら、これからの展開に胸を躍らせておられたに違いないと思う。 故に、「スマートグリッド」を明確に且つ確実に定義するには時期尚早ながら、今後起こり得る様々な可能性や日本が採るべき選択肢を提示してくれる優れた書物である。
正に、「オペラ劇」のプログラムであらすじを追いながら、これからの展開にわくわくする思いで観るに似た感じを抱いた。 久しぶりに興奮を覚えた一冊である。
8/23/10
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