沈みゆく日本、立ちすくんだ日本、国内にこもる日本、などなど、最近は、さまざまなメディアが日本は世界の中で凋落しつつある国かもしれないと警鐘を鳴らす。 今日の日経新聞朝刊、一面の特集記事のタイトルも「こもるなニッポン」。 長年海外と関わりながら仕事をしてきた私の眼には、突然日本が内向きになったわけではなく、日本を取り巻く外の世界の変化速度が極めて速くなっているのに対して、我国の対応速度が鈍いと見える。 今になって特に、嘗てよりも、日本人が以前に比べて内向きになったということではないように思う。 諸外国に比して、日本と海外との関わりを、積極的に進化させてゆく速度が鈍いのは、国内の産業構造、政治構造など極めてドメスティックな点で大きな節目に来ているにもかかわらず、国内さえも今後どのようになってゆくのか見透すことが難しくなっている、即ち自らの足場が脆弱になっていて跳躍しにくくなっているということは有るかもしれない。 最近盛んに言われているFTAや、日本対アジアではなく、アジアの一員としての日本、これも40年一日の如く言われていることだが、未だ目覚ましい進展はない。 国策としての戦略的な動きが鈍く、日本国内市場の延長として世界市場を捉えている個々の企業活動の範囲に依存している現状は、過去数十年変わっていないように思うが言いすぎであろうか。 国をより一層開く、日本の外でおきている一大変化をキャッチアップし、出来れば主導権をも取り戻すには、速度を上げて動く、多面複合的な施策を実行することが焦眉の急なのだろう。 やるべきことは分かっている筈だから・・・ 4/7/10