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貿易依存度

「国際化」、古くて新しいテーマだ。 世界の其々の国ごとに、その時代の国際化がある。 今年2010年10月、菅直人首相が所信表明演説で、五つの重要政策課題の一つに「国を開き未来を拓く主体的な外交の展開」を挙げ、「・・・・天然資源・エネルギーや市場を海外に依存する我が国は、如何にして平和と繁栄を確保するのか。受動的に対応するだけでは不十分です。 国民一人ひとりが自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければなりません。その際、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに、国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向け、先頭に立って貢献することが不可欠です。(以下略)」と云う。 昨年辺りから使われ始めた言葉、「第三の開国」(明治維新、第二次世界大戦敗北に次ぐ、三度目の開国という意味らしいが)を、念頭に置いているようだ。 世界銀行が発表した 2007 の貿易依存度(物品とサービスの輸出入合計額を GDP で割った数字)は、 33.5% で 169 位というデータがある。 我国の下には米国とブラジルだけがデータ算出可能な国として挙げられている。 過去の数値を眺めてみると、 2007 年が特に悪いわけではなく、 1990 年と 2000 年は其々 20.0% と 20.5% で世界 160 位と 180 位、又、12月14日付日本経済新聞のコラム「一目均衡」によると、最近(恐らく 2009 年)の数値は 22% となり、 175 位である由。 輸出入のバランスはどうか、同じ世銀の 2007 年のデータを読むと、日本の輸出、輸入の対GDP比は、其々 17.6% (世界 157 位) , 15.94% (世界 171 位)と余り大きな差は無い。 生憎、 1960 年 -1990 年のデータが手許に無く、過去50年間を俯瞰することは出来ないが、少なくとも直近 20 年で見る限り、総人口で世界の10位である我国の貿易依存率が如何に小さいか分かる。 ここ数年、内需拡大が叫ばれているが、我国の総人口曲線も減少に転じた。  現在の低い貿易依存度に甘んじつつ、慎ましく国内市場依存を続けてゆくのか、或いは我国歴史上類を見ない大きな飛躍を遂げて高度に良質な社会を構築して国内志向を維持して行くのか、或いは国内市場の延長としての海外市場を開拓して行く

破壊的創造性の源泉はどこに?

表題は、世間同様、私も関心を抱いているテーマの一つである。 天才による閃きが世界を変える発明に繋がる、あるいは凡人でも「3人寄れば文殊の知恵」、千に三つ位は、革新的なアイディアが生まれるのだろう、集まるのは3人と云わず異なる環境で異なる発想を有する人々が多いほど良いのではないか・・・なればインターネットが普及しているこの時代、ネット上で新たな知恵の創造は有りうるのだろうと、日頃感じている所だ。 折しも、フィナンシャルタイムズなどで紹介されている、「WHERE GOOD IDEAS COME FROM - THE NATURAL HISTORY OF INNOVATION」(Steven Johnson著)という題名の本が有る。 紹介記事によれば、素晴らしいアイディアは人々が集まり活発に意見を交わす嘗てのロンドンのコーヒーハウスの様な場所で生まれる事が多い。だが然し、それは一朝一夕にして創造されるものではなく、知的探求の長いプロセスの最後の段階で現れると。 創意あふれる場所と人の集まり、そして互いの刺激と協業、協働が大切と説いている由。 ここに、アニメーションを使い4分程度の動画で同書内容の紹介をしているビデオが有る。 著者自身もブログで、想像以上に良く出来ているビデオであると述べている。 4分で分厚い本を読んだ気になれるかもしれない。 もうひとつのビデオは、米国TEDで、著者が後援しているもの。 17分と少々長いが、とても刺激的な話、一見に値する。 12/10/10

ものづくり日本の国際協業

  とても勇気づけられる。 昨日のNHK総合テレビ「NHKスペシャル 灼熱アジア 第4回『日韓中緑色戦争』」で紹介されていた大和化学工業という会社。 番組によれば、同社は、グリーンテクノロジー分野に於いて、中国北京大学と共同研究するプロジェクトを立ち上げた。 それも自社技術を無償提供し、更に寄付金(多分、研究開発費の一部とするのだろうが)も提供するという。 同社社長の発言として、「所謂チャイナリスクは、認識しているが、認識したからといって、歩みを止めることは出来ない」と。 心強い。      長期に亘る世界的景気低迷、他方勢いよく追い上げてくるアジア各国、日本国内市場だけでは存続し続けることが困難になってきている我国中小規模製造業が、其の困難を克服する幾つかの選択肢の中で、企業間提携による共同技術開発はかなり有力な手段の一つであろうと思う。 国内企業同士の協業のみならず、日本国の外に大きく広がる海外市場を見据えて、幅広く海外企業と協業を図ることは今後益々重要になる。 技術開発の分野でも例外ではない。 当初は困難が伴うであろうが、軌道に乗れば日本人の発想では見過ごしてしまうような斬新なアイディア、技術が生まれる可能性も大いにあると思う。       このような思いで、昨秋から、技術を有する我国中小規模企業紹介のポータルサイトANSListsに着手した。 " ANSList s"を覗けば該当する技術分野の殆ど全ての企業(中小規模・非上場)を見ることが出来る所まで作り込みたい。  一個人の作業故に限界はあるが、英語で情報発信を心掛けている企業を一覧できるサイト、可能な限り継続しつつ、海外における認知度を高める努力を続けて行きたい。      昨日のテレビ番組に登場した会社の存在は、"ANSLists"を作成する強い動機となった、我国技術系中小規模企業の国際協業を、ボランティアとして間接的に支援して行きたいとの思いに繋がり、感慨深く、又、大いに勇気づけられた。  11/15/10

観光地からの情報発信に外国語も。

今朝( 11 月 11 日)のNHK総合テレビ番組を視聴し、宇奈月町の素晴らしさに感動した。 黒部のトロッコ列車、モーツアルトの音楽で醸造されたビール、ザルツブルグに似た町の背景、川辺で掘る自前の温泉、等など、加えて云うに及ばずの春夏秋冬海の幸。 早速、宇奈月観光に関するホームページを開いて見た。 予想通り見ていて楽しくなり、行きたくなる内容だが、外人観光客には少々難解、つまり外国語表示が皆無であることが残念。 英語、中国語(筒体、繁体)、韓国語、フランス語、ドイツ語で表現されればほぼ完璧なのだろうが、せめて英語と中国語位が有ると多くの外国人観光客に情報が届くのではないだろうか。 先ずは英語からでも良い。 速やかに対応されることを期待したい。  11/11/10

TPP

最近のニュースを見聞きしていると「TPP『環太平洋戦略的経済協定』」という言葉がよく使われている。 日本語訳を必ず言うので、意味は分かるが何故「TPP」というのかさっぱり理解できなかった。 已む無く、ネット検索でTPP即ち「Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement」或いは「Trans-Pacific Partnership」の略なのだそうだ。 「TPP」そのものの省略形としては、後者が正しそうだが、日本語で言われるところの意味からすると前者の英語が正しいように思われる。 英語の文章の中では、前者或いは後者の言葉は、厳密に定義された上で使い分けられているのだろうと思うが、我国のニュースはこの点をあいまいに「TPP環太平洋戦略経済協定」と表現する。  何れにしても、TPPの源の英語が何か、ニュースを発信するメディア、特に新聞やテレビのニュースでは、明確にしながら報道して欲しいと思う。 それにしても、日本は、アジア地域に於ける自由貿易圏推進に積極的であるべきだとの議論がなされて久しいが、未だにTPP参加に反対する勢力が多いことはどのような理由なのだろうか。 データをベースに公正な解説記事が欲しい。 11/6/10

日本の存在感

BSフジ午後8時からのプライムニュースが面白い。 本日の主題の一部をプライムニュースのウェブ上のスケジュール表(  http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/index.html  ) から引用すると、「 外交評論家の磯村尚徳氏と、大蔵官僚時代は国際金融の世界で活躍し「ミスター円」と呼ばれた青山学院大学教授の榊原英資氏に、政治・経済・文化などの面から日本の存在感・外交力・交渉力を高めるにはどうしたらよいのかを聞く」とある。 メモを取りながら番組を見ていたわけではないので、正確な記述は出来ないが、磯村氏と榊原氏の発言で印象に残ったキーワードを私自身の備忘録として以下に書き留めておく。 磯村氏曰く、発信力は、立ち居振る舞い55%、声を出す38%、内容7% (”声”と”内容”の比率は少々異なるかもしれない)。 米国海軍と日本の海上自衛隊は世界のトップ2で有ることを認識するべし。   海外港湾設備、海外企業などを買い付けるなど、 円高環境を戦略的に活用するべし。 榊原氏曰く、環境、安全、健康、世界のこれからを担う3大要素を全て持ち合わせる日本よ、もっと自信を持つべし。 今日米国のガイトナー財務長官がドルは強く有るべしと云い、若干円が下がったが長続きはせず、円は史上最高値79円75銭を必ず突き抜けて70円台前半まで行く可能性高い。 円高をもっと活用することを考えるべし。 円高を戦略的に活用するべし・・・例えば海外資産を買い付ける、積極的に海外進出を図るなど。 日本企業は外に出る以外に更なる成長はあり得ない。 約2時間の議論、とても興味深く視聴した。  10/19/10

GigaOM

GigaOM。。。この言葉は何だろう。 世界の技術革新を主導する人達と世界の潜在的な顧客企業や提携先、或いは投資家達とを結びつける事業媒体として設立された企業が GigaOM Network 。 そして、その代表的なブログサイトが2006年に開設されたGigaOMである。 ここには、分野ごとに7つのブログサイトが集約されている。 統括サイト" gigaom ", アップルのことだけを語る"theAppleBlog", クリーンエネルギーを語る"earth2tech"、クラウドコンピューティングに関することを書いている”STRUCTURE"、ビデオ関連のブログ”NewTeeVee"、等である。  現在世界のインターネット上には技術分野と新起業群に焦点を定めて情報を発信しているサイトやブログは、数多く存在する。 その中でも、GigaOMは、情報精度とその解析力、見識という点で一歩先んじているようだ。 CNN, ニューヨークタイムズ、ビジネスウィーク、ロイター等々、有名なメディアに専門的な立場における情報を提供しているとのこと。 我国、日本の新しい技術、技術を有する中小企業群を世界の市場、潜在顧客やパートナーと結びつける一助となりたい、思いは同じ ANSLists 。 孤軍奮闘では限界ある。 何とかしたい。 9/9/10

スマートグリッド

数日前に、「スマートグリッド革命」というタイトルの本を読んで感激したという事を書いたが、欧米企業の動きを探ってみたくなり、企業データを読み始めた。 その1社目、SmartSynch社の話を海外技術雑録( http://anstechbizreviewj.blogspot.com/ )に書き留めた。 8/26/10

スマートグリッド革命

「スマードグリッド」、一昨年辺りから日本のメディアに登場し始めたように思うが、ITを活用し、電力の需要者(家庭やハイブリッド・電気自動車等)も供給者として組み込まれる電力網という程度の認識しかなく、そのイメージは漠然としていた。 数日前に友人から借りて読んだ本、「スマートグリッド革命」(加藤敏春氏著 NTT出版発行)が、もやもやを吹き飛ばしてくれた。  加藤氏が、著書の最後の部分で、「私はワグナーのファンですが、いま、華麗にして壮大なるオペラ劇の幕が開いたという感があります。 (中略) いま我々が聞いているのは、『スマートグリッド革命』のタンホイザー序曲』と言えるでしょう。」と記述しておらる通り、恐らく、著者ご自身もこの書物を書き進めながら、これからの展開に胸を躍らせておられたに違いないと思う。 故に、「スマートグリッド」を明確に且つ確実に定義するには時期尚早ながら、今後起こり得る様々な可能性や日本が採るべき選択肢を提示してくれる優れた書物である。  正に、「オペラ劇」のプログラムであらすじを追いながら、これからの展開にわくわくする思いで観るに似た感じを抱いた。 久しぶりに興奮を覚えた一冊である。 8/23/10

脱日入亜

1997年の経済危機で大打撃を被ったタイが、FTA促進と並行して日本など海外製造業を呼び込み、今や中国やインド、そして日本をも含むアジア地域の製造拠点として確固たる地位を築きつつある。 金型等に代表される日本の得意分野に於いても、タイの技術水準は日本を捉え一部には日本の水準を凌駕するところまできた。 そこには多くの日本の大企業、中小企業の現地進出と技術移転がある。  本日始まったNHK特集番組「脱日入亜」、第一回目の要点をこのように見た。 「ものづくり日本」何処へ、日産マーチもタイから輸入されるようになった。 知財移転の対価は知れている。 何が今後の日本を支えて行くのか、色々な思いが頭をよぎる。 8/22/10

IT革命のカラクリ

昨日書棚を整理していて、「IT革命のカラクリ」(月尾 嘉男 ・田原総一郎共著 アスキー出版)という2001年1月頃読んだ本がでてきた。 其れを手に取りパラパラめくる内にその内容が面白く、書棚整理をそっちのけにして、読みふけってしまった。 田原総一郎という人の相手の本音を引き出す術は、相変わらず素晴らしい。 それにも増して、10年近くの時を経過した今も、この書籍に書かれている内容が今も有効であることに驚きを覚える。 残念なのは、21世紀に入り、社会、企業など様々なレベルにおける変化速度が速まると期待されている中で、お二人が語る内容は未だに有効であるという、つまり、我国は1990年から2000年に至る、いわゆる失われた10年間に続く、2000年から2010年に至る次の10年間も大した変化は無く、1990年以降都合20 年も失った事をこの書を読んで確認してしまったことか。 更なる次の10年、2020年頃にこの書をもう一度手に取ってみたいと思う。 失った20年を挽回した10年になっていれば良いのだが。 8/15/10

国際放送

1980 年代始め米国出張した折に、ホテルで見た CNN ニュースに強い衝撃を覚えた記憶は今も鮮明に脳裡に焼き付いている。  最近は、その報道内容が少々偏向しているのではないかという議論も出ているようだが、一言でいえば、地球上のどこで発生したニュースも迅速に同報で伝えるというその姿勢に驚嘆したものだ。 あれから 30 年近く経過した今も、我が国日本には、地上放送の焼き直しニュース番組が衛星経由で流されている位で CNN に比肩しうるような番組はないように思う。 CNN の例は、ディジタル / アナログの議論とは切り離されるべきではあるが、今やブロードバンドネットが当たり前になりつつある現代、テレビ局がその気になりさえすれば多言語ニュースを同報発信、双方向性機能の実現など比較的簡単なことかと思う。 海外市場をも視野に入れた発想はないものか。 7/4/10

池淵史跡公園

     石神井公園隣池淵史跡公園に、約5000年前の竪穴住居跡が保存されています。

勝海舟邸の屋敷門

石神井公園南隣に連なる3つのお寺の一つ、三宝寺に有る通用門は、勝海舟邸の表門で昭和35年にこの地に移築された。 明治維新の大業に関わる多くの人々がこの門を潜ったであろうその時代に思いをはせて暫し門前に佇んだ。

クラウドコンピューティング

時の言葉の一つクラウドコンピューティング、概念は決して新しいものではない。 ホストコンピュータと端末、サーバーとクライアント、IDC或いは高機能サーバーとシンクライアント、時代と技術の変遷とともに様々な言葉が生まれた。  今はクラウドコンピューティング、公衆通信網(これを専門家は雲の形で書く、雲即ちクラウド)を介して、そこに繋がる巨大コンピュータ群にある様々なアプリケーションを利用する。 情報・通信の劇的な進化により、何時でも、誰でもが何処からでも多様なアプリケーション・サービスや機能を利用することが可能となった。 このブログ自体もGoogle社が提供するサービスを利用している。従い、このブログの内容はインターネット(ここではクラウドと読み替えてもよい)に繋がったGoogle社のサーバー(コンピュータ)に保存される。  YouTubeやUStream, Twitter等もクラウドコンピューティングの優れたアプリケーションの例だろう。 これらユーザが無料で使うことが出来るサービスとは別に、ビジネスユーザ向けの有料サービスも数限りなく存在する。 「便利な世の中になった」ことは確かだが、このクラウドコンピューティングによる様々なサービスが殆ど外国企業により提供されている、つまり当然のことながらそれらのサーバーは当該外国企業によって管理され、サーバーの物理的存在も概ね海外である。  国家レベルにおける情報の安全保障はどのように担保されるのだろうか、素朴な疑問が浮かぶ。個人や企業のレベルでも、重要な個人情報や、企業の核心を担う情報やプロセスを国外のサーバに依存することはどうなのだろう。 以前、我国の公的機関が米国のサービスを利用することを決めたとの報道が有った。 決定に際しては、当然のことながら日本企業にも打診したそうだが、サービス開始までの期間において当該米国企業に圧倒的な優位性が有った由。 今朝の日本経済新聞にもパナソニックがグループ内の生産管理にオラクル社のクラウドコンピューティングを利用することを決めたとある。 同記事は、クラウドサービスの国内導入事例を紹介しているが、米オラクル社の他に、米IBM,米グーグル、米セールス・フォースドットコム等の米国企業の名前が並び、富士通とNECの名前がかろうじて最下段に記述されている。 「あっ、又か・・」との思いが頭をよぎった。 

国を開く?

沈みゆく日本、立ちすくんだ日本、国内にこもる日本、などなど、最近は、さまざまなメディアが日本は世界の中で凋落しつつある国かもしれないと警鐘を鳴らす。 今日の日経新聞朝刊、一面の特集記事のタイトルも「こもるなニッポン」。 長年海外と関わりながら仕事をしてきた私の眼には、突然日本が内向きになったわけではなく、日本を取り巻く外の世界の変化速度が極めて速くなっているのに対して、我国の対応速度が鈍いと見える。 今になって特に、嘗てよりも、日本人が以前に比べて内向きになったということではないように思う。 諸外国に比して、日本と海外との関わりを、積極的に進化させてゆく速度が鈍いのは、国内の産業構造、政治構造など極めてドメスティックな点で大きな節目に来ているにもかかわらず、国内さえも今後どのようになってゆくのか見透すことが難しくなっている、即ち自らの足場が脆弱になっていて跳躍しにくくなっているということは有るかもしれない。 最近盛んに言われているFTAや、日本対アジアではなく、アジアの一員としての日本、これも40年一日の如く言われていることだが、未だ目覚ましい進展はない。 国策としての戦略的な動きが鈍く、日本国内市場の延長として世界市場を捉えている個々の企業活動の範囲に依存している現状は、過去数十年変わっていないように思うが言いすぎであろうか。 国をより一層開く、日本の外でおきている一大変化をキャッチアップし、出来れば主導権をも取り戻すには、速度を上げて動く、多面複合的な施策を実行することが焦眉の急なのだろう。 やるべきことは分かっている筈だから・・・ 4/7/10

BSフジ PRIME NEWSが面白い

普段余りテレビを見ないが、最近ちょっとはまっている番組がある。 BSフジ 「Prime News」平日午後8時から9時55分まで、その日のテーマに関して、現在日本におけるトップレベルの専門家を招き徹底的に話を聞く。  今日のテーマは、「目前に広がる巨大市場! アジアを日本の内需に取り込め! ASEAN・中国・インド経済のカギ!」。 なかなか良い話であったように思う。 最後の結びは、「”アジアと日本”ではなく、”アジアの中の日本”を再認識し、我々自身がもっと開放的になること、そして日本の内と外を区別してはいけない」という。 これは、日本の経済成長が加速を始めた1960年代頃から言われてきたことだと思うが、 どうも40年以上前から言われていた割には、現実に対する準備不足、うかうかしていると「アジア圏経済活動」においても遅れを取る可能性が危惧されている。  40年以上も前に識者達が指摘していた課題が、ようやく現実問題として注目され受動的ながら対応を迫られている現状を見ると、半世紀近くの間我々は何をしていたのか、おさおさ怠りなく準備を進めるなどということは少々難しいのかもしれない。  人口減、少子高齢化による国力の低下も懸念される我国日本、半世紀先といわずとも10年-20年先を見据えた策に今着手出来ているのかどうか・・・そんな疑問が、今日の番組を見ながらふと頭をよぎった。 4/1/10

道を切り拓くということ

日経ビジネス2010年2月22日号116ページの「有訓無訓」に東京大学教授・歴史家加藤陽子氏の文章が掲載されているので引用したい。 「歴史はそのままの形では決して繰り返しません。 でも、変革の原動力として共通するものはある。 それを探し出すのが、歴史を学ぶ本当の面白さなのですね。 ここでちょっと、今の私たちを振り返ってみるのも面白いでしょう。『政府に貸したお金は返ってくる』と信じているか、否か。 あなたの判断は如何ですか。 答えによっては『捨てる』を、固めた方がいいのかもしれません。」 『政府に貸したお金』にも様々なものが有ると思うがここでは詳述しない。 この文章で私が強く感ずることは、『返ってくると信ずるか否か』このあたりが不透明になっている現代日本、不安感を抱く人あり『返ってこないと」さっさと諦めて新たな挑戦を試みる人ありだが、後者よりも前者が圧倒的に多いように思う。 一部の産業では縦割り構造が破壊され新たな挑戦を余儀なくされるケースが増えつつあるようだが、長い間に積み重ねられたしがらみと複雑なサイロ型構造はまだまだ多く身の回りに多く存在しこれらに横串を通してサイロの壁を取り払うことが出来ないものだろうか。  昨日のNHK番組で元NPO法人代表で1月末までの100日ほどを、鳩山総理から直接任命を受けて内閣府参与として奔走した湯浅誠氏の活動を追った映像が放映されていた。 昨年12月25日から今年1月4日(その後2週間延長)までの間に、生活困窮者に対する就業支援・生活保護支援・短期住宅確保支援等をワンストップでサポートする行政窓口を設定することに奔走した様子をレポートした映像である。 省庁レベルの縦割り構造、国・地方自治体間の役割分担等多くの組織や規則。規制等による障害を乗り越え、時には妥協し、成果を出した。 湯浅氏の努力は素晴らしかったが、見ていて孤軍奮闘の感あり、独りで官僚機構というサイロ型巨大機構を動かさなければならない実態。 仕事にひと段落付けた今、湯浅氏は首相と副首相に辞意を表明し撤回していないらしい。  平凡かもしれないが、新しい産業、雇用の創造言うに易く行うに難し。 萎縮している気持ちを解き放つ、サイロ型構造を変える、信ずることが出来なくなったモノは捨て去る。。。過激だが必要なことかもしれない。 3/1/10

iPad

AppleがAmazonのKindleに周回遅れながらiPadを発表した。  iPod, Apple Store, iTunes, iPhoneと着実に積み上げてきたアップル独特のインフラが、既存のビジネスモデルを破壊しつつある。 Steve Jobsが居る限りAppleの挑戦は半永久的に続くようにみえるというと云い過ぎだろうか。 或いは、最早Appleという会社にはSteve JobsのDNAが埋め込まれていて、彼がいなくとも継続的に革新的なビジネス展開を繰り広げて行くのかもしれない。 それにしても、今回Adobe Flashを切り捨てたことが本当に吉と出るのか、Appleのこと、十分な成算有ってのことだと思うのだが。 http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/02/05/AR2010020501089.htmlreferrer=emailarticle 2/8/10

国富を生かす

最近は、我国の国力の低下を憂いこれから何をなすべきかを論ずる報道が多く為されているが、一朝一夕に状況を改善する策が有ろう筈もなく、我々国民が意識 を高く保ち、現有資産を活用して直ちに出来ることに、果敢に挑むことが肝要であろうと思う。 折しも、 1 月 3 日付朝日新聞に 「知恵の引き継ぎが『革新』生む」というタイトルの文章が掲載された。 筆者は 慶應義塾大学環境情報学部専任講師である 神成淳司氏。  そこには、IT を 活用して日本独特の技を伝承し、磨きをかけて、付加価値を高めることを実践している事例が紹介されていた。 心強い限りである。 伝統技術や先端技術資源、観光資源、教育水準の高い人材等、現存する豊富な資源に加えて、世界トップレベルにある広帯域通信網とITインフラがこれらの資源に時空を超える力を与える。 現存する資源を有効活用する余地は無尽蔵にある。 1/8/10