一昨日金曜日、大手町で「イノベーションフォーラム」と題する講演会に参加し、これからの日本におけるイノベーションは如何にあるべきかを考える上で、示唆に富んだ話を聴いた。 イノベーションとは、過去の延長線上で考える改良・改善ではなく、むしろ発明に近いものでなければならぬと。 最近は安価で完成度の高い製品がどんどん海外から入ってくる。 もはや、既存技術を高度に磨き上げてゆくだけでは、競争力を保つことは出来ない。 全く新しい発想のもと、他が追い上げるには時間を要する技術、知的所有権で守られる技術開発が必要であろうことは論を待たない。 少々おかしかったのは、上述論者が言われるところの「新発明」のもう一つの意味付けだ。 サブプライムローンに端を発した現在の経済状況から抜け出すためには、米国で3-5年、欧州では3年かかるが日本は恐らく1年半くらいで回復してくるのでかと論者は推測すると。 外国が回復するまでは日本経済は国内需要に頼らざるを得ないが、「新発明」技術や製品は国内需要を喚起するためにも必要であると。 この論は正論なのかもしれぬが、物が満ち溢れていて、且つ庶民の財布の紐が極めて硬くなっている我が国において「新発明」製品が出ると、景気づけになるという論はどうなのだろうか。 「新発明」は、わずか一億人の国内市場喚起だけではなく、日本が世界で生き延びてゆくためにも必要なことであろうと思うのだが。 上記論者の話は恐らく割り当てられた時間のせいで十分に言い尽くせなかったことであろうと思いたい。 11/30/08