スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

10月, 2007の投稿を表示しています

日本の建築技術

現存する日本最古の木造建築物といえば、国宝であり世界文化遺産にも登録されている法隆寺、その五重の塔は築1300年を経過するという。 釘を一本も使わず木材の切り組と塔の中心を成す心柱で柔構造を構成しているとの事。  高さ約32メートル、檜による木造建築が筑後1300年もの間地震や台風にも耐え今も建つのは、実に不思議な気がする。 この柔構造は現代建築技術にも応用されているそうだ。 その普遍的な構造技術も素晴らしいが、1300年もの間朽ちることなく構造を支え続けている檜、檜の持つ特性もあるのだろうがその木材保存技術も驚異的だ。  鉄筋コンクリートによる現代建築物の寿命は100年位と言われている。 現に、最近米国で大きな橋が崩落した話は未だ新しい。  法隆寺の五重の塔、その寿命はまだまだ尽きないだろう。数百年後或いは千年後も現在のままの姿であるかもしれない。 福田総理が提唱する『200年住宅』、日本古来の建築技術を生かせば訳も無いことのようにも思えてくる。 平成19年10月31日

デジカメで静寂を切り取れる?

10月28日、台風一過、朝から快晴。 午前中石神井公園を歩いたが、今日は日曜日にも拘らず、人影がまばらで思いのほか静かだった。  静寂とすがすがしい空気を普通のデジカメに収録できないかと常々思うのだが、所詮は無理な相談か、或いは、腕を磨けばある程度は何とかなるものだろうか。  先週のある日、久方ぶり伊豆スカイラインから富士山と夕日をみて感動。 一枚の写真に納まるアングルでなかったのが残念。 普通のデジカメで静けさを切り取る・・・暫しチャレンジしてみたい。

長寿命住宅

新総理大臣福田さんが、10月1日の所信表明演説の中で、『これからの環境を考えた社会への転換』と題する一節に、環境問題に関連して、「200年住宅」への取り組みを挙げていた。 200年と言わず、日本各地に遍在する、長い間風雪に耐え抜いてきた神社仏閣のように、300年でも500年でも使える住宅が出来れば素晴らしい。 それも、主に木材と土と石を使い、極力新建材、鉄筋コンクリートの使用を避ける事が出来れば本当に凄いと思う。  何かで読んだ記憶があるが、鉄筋コンクリート製の建物でもせいぜい100年位の寿命らしい。 確かに、鉄筋コンクリート製のビルや、橋脚の劣化事故が時折報道されている。 現代住宅の大半は新建材を用いて、外観のきれいな洋風建築が多いように思うが、設計上の寿命はどの位なのだろう。 街を歩いていると、趣のある古い木造住宅がいつの間にか取り壊されて、”きれい”な住宅が手早く建てられてしまう光景をよく目にする。  先の神社仏閣の例を引くまでも無く、建築技術上、200年、300年と長持ちする、木造家屋を造る事は難しい事ではなさそうだ。 真の課題は、自然と調和しつつ住みやすい地域環境デザイン、その環境との整合性のある住宅デザイン、寿命の長い住宅を建築し維持出来るようにする為の建築資金確保や税制の見直し、それらを支える法整備、古い住宅を大切に使う事への意識転換等など多岐に亘るのだろう。 今日も我が家の近くを散歩していて、落ち着いた風情のあった住宅が、”きれいな”建売住宅に変っていていたのを見て、福田さんの話をふと思い出した。 万難を排して、『200年住宅』を日本社会に根付かせて欲しい。 10月9日

組織で仕事をするということ

日経ビジネス最新号(2007年10月1日号)「有訓無訓」というコラムに、みずほ証券元社長の大澤佳雄さんという人が、「素平さんに学んだ我慢、思いを温め『時』を待つ」という題名の文章を載せている。 その一部をここに引用する。 「日本興業銀行に入った1964年、頭取だった中山素平さんが入社式でこんな話をしてくれました。 中山さんの時代は国立大学出と私立大学出で身分や給与に入社当初から差がついていたそうで、『こんな制度は早く直したいと常々思っていたが、人事部長になるまで手をつけられなかった。社内の仕組みに不満を感じても、それを改める立場になるまで温めておきなさい。 我慢の時間は、不満が意味の無いものだとわからせることもあるし、本物ならばそれを志にまで熟成する』と言う内容でした。」 ほぼ同時代に大手電気メーカで仕事をした私には、中山さんが言われたという話はよく判る。 然しそれは、40年以上も前の話、現代のように経営環境、会社組織自体がめまぐるしく変わる時代には、個々の従業員の考え方や建設的な意見が、百出するような組織運営が求めらるのだろう。 適時、最適案、建設的な案、場合によっては破壊的に建設的な案や考えをきちんと判別し、組織運営や経営に生かして行く能力が、管理職に求められているように思う。 10月1日